前回書いたパワーストーンを用いた具体的な開運法について、命式の実例を踏まえながら考えてみたいと思います。
ただし、五行と各パワーストーンの明確な紐付けについては、何かきちんと定義された理論がすでにあるわけではありませんので、鉱石の作用・色彩・鉱物学的由来から「五行との結び付き」をゆるく類推しています。(あくまでも研究段階の考察です)
身弱の木星さんの場合
秋月生まれの身弱の甲乙木さんについて考えてみましょう。
このような命式の方は、金剋木で常に傷つけられて痛むため神経過敏を起こしやすく、慢性的な不安症や多大なストレスを抱えている人が多いです。
例えば、男性ならば仕事の件で心労が多くブラック企業で次々と転職繰り返しているかもしれません。女性は夫の件、男性の件で相当に苦労させられる命式です。必要な用神はおおむね水星と木星です。
傷ついた神経を癒しつつ、心の中に根付いた恐れや不安のネガティブ感情を浄化して、明るい未来に向けて希望を持って歩んでいけるポジティブ感情に変換していく。
次に、未来の目標をしっかり定め、心が折れないように意志を強く持ってコツコツその方向性に根気強く努力していく持続力・行動力が求められます。
必要な要素は大きく分けて2段階に分けられるでしょうか。各々の役割を担うパワーストーンを考察してみましょう。
(1)心の傷を癒し、内的感情を調和させ、ネガティブな思いを解消させる
心の奥深くにまで溜まっているネガティブな感情や思いを吐き出して浄化させ、心の傷を内側から癒す力を持った鉱石はグリーン系やピンク系が多いことに気付きます。
これらは感情や愛を司る第4チャクラ(ハートチャクラ)に働きかける石です。
代表的な鉱石:アベンチュリン、アンバー、アマゾナイト、クリソプレーズ、ペリドット、グリーントルマリン、プレナイト、エメラルド、グリーンガーネット、モスアゲートなど
グリーン系の鉱石が得意とする「癒しや調和」の働きは、まるで森林の樹々が二酸化炭素を吸収して酸素に変換するような自然の浄化作用を思わせます。
とすれば、やはりこれらの石は五行的にみると「木」に一番近いのではないでしょうか?
アベンチュリン(インド翡翠)は「森林の石」とも呼ばれ、風化した水晶成分が固まった珪岩(クォーツァイト)の中に、雲母などの内包鉱物(インクルージョン)がキラキラと入っている深い緑色をした石です。
アベンチュリンは、非常に安いのに反して、効果の高いコスパ最強石の1つです。
第4チャクラの内奥にあるディープハートと呼ばれる領域に働き掛け、豊かな愛情で心をじんわり温めて満たす力が強く、しかも即効性があり効果範囲が広いという特質を持っています。
ちなみに、キラキラした内包物(アベンチュレッセンス)が入っておらず、色の薄いグリーンの石も同じくグリーンアベンチュリンの名称で売られている場合があります。こちらはただの珪岩(クォーツァイト)です。現物を店舗でじっくり品定めされたほうがベターですね。
アンバー(琥珀)は「松柏の樹液」が空気に酸化されない状態(地中)で、数千万年以上を掛けて鉱物化した植物由来の珍しいパワーストーンです。こちらは素材自体からして木行そのものです。
上記2つは、精神の癒し、ネガティブなエネルギーの浄化・除去(デトックス)、自律神経系の調整といった作用に特化した石です。身弱の甲乙木の方にとっては必携アイテムではないかと思います。
特にアベンチュリンはあまり有名な石でもなく産出量も多いため、かなり安価(ほとんどタダ同然の値段)に入手できます。アンバーは流通量がやや少ないかもしれません。
プレナイト(葡萄石)は、抱え込んでいるマイナス感情や愚かな思いや固定概念を捨て去るように促す石です。本当に要るものと不要なものを分別しつつ、余計な重荷から心を解放することで癒します。
緑系のパワーストーンの多くは、第4チャクラの歪みを調整することで、内面的なネガティブな感情や心の傷を修復して神経系のストレスを緩和するようです。
もう1つの用神である「水星」を補って
樹木に水を注ぎ、水の癒しでケアしたいならば、アクアマリン、ラリマー、アマゾナイト(天河石)などのライトブルー系の鉱石が最適でしょう。
淡い水色を中心としたライトブルー系の鉱石は、喉のチャクラである第5チャクラと関連します。
他人との言語的・情緒的なコミュニケーションを司る部位です。第4チャクラと第5チャクラは連携して初めて意味を持ちます。
心の内奥から溢れる愛情(=第4チャクラ)が枯渇していれば、薄っぺらい口先だけの人間関係しか構築できないでしょうし、他人と深く共感的に関わっていこう(=第5チャクラ)としなければ、深い愛情や慈愛の心が内側に育っていかないという相互関係があります。
なので、グリーン&ピンク系の石と、水色ライトブルー系の石は、第4+第5チャクラを同時に活性化する組み合わせと言えるのです。
アクアマリンやラリマーも感情的なマイナス要素(心の毒素)を排出して、心の内面から潤し癒しながら、良好な対人関係やコミュニケーションを育む作用を持っています。
これらは属性的には水星が強いでしょう。
水のような癒しの作用と、オーラのゴミを洗い流す浄化作用が期待できます。
アクアマリンは、主要7チャクラ以外の「第4.5チャクラ」とでも言うべき心臓の裏側にあるポンピングのチャクラ(脾臓チャクラとも呼ばれる)にも強く働き掛けます。健全な自信を育んで、全身にエネルギーを運んで巡らすのが第4.5チャクラの機能です。
その意味で、アクアマリンという石は、全体的には苛立った感情を落ち着かせて沈静化する癒しの作用が強いのですが、一方で脾臓チャクラを活性化する機能もあり、癒しと活性化が混在している不思議な石です。
ちなみに、ここまで出てきた鉱石の名前について、多くの方はほとんど大半を知らなかったのではないでしょうか?
パワーストーンとして(スピリチュアル的)効果が大きい石が、必ずしも世間的にも(ジュエリーとして)有名であるとは限りません。値段が非常に安価でマイナーな石が「絶大な効果」を持っていたりもします。
逆に、誰もがジュエリーとして知っているような石(ダイヤモンド、エメラルド、サファイア等)のほうが、産出量が極端に少なかったり、高価すぎる反面に意外とスピリチュアル的効果が釣り合わなかったり、パワーが強すぎて波長が合う人の方が少なかったりして、かえって使いにくい面があります。
上記で挙げた石の中では、ラリマーは特に産出量が少ない石のため高価かもしれません。(ラリマーが入手しづらければ、ブルーレースアゲートやアマゾナイトで代用してもよいと思います。)
ちなみに、第4チャクラに働きかける色彩は、緑ともう1つピンクがあります。
ローズクォーツ、ロードクロサイトなどのピンク系統の石は、自分自身を肯定して愛せるように自己肯定感を高めつつ、愛情関係の基盤を養っていく作用を持ちます。愛し愛される幸福感を拡大する石で、女性に大人気の石です。
(2)内面をポジティブな思い=陽気で満たしつつ、外に向かって行動(循環)していく
心の内奥からネガティブな感情やマイナスの思いが取り去られ、心のリセット作業が終わり、受けていた心の傷が修復された後には、ポジティブな願いや明るい希望で心を満たしながら、しっかり目標を定めて外に向かって勇気を持って行動していく段階に進んでいきます。
アマゾナイトやクリソプレーズは別名「希望の石 hope stone」と呼ばれます。
明るい未来を希望させ、願った事柄を引き寄せる作用が強い石とされています。
このようなライトブルー、ブルーグリーン、アップルグリーン系の淡い色調を見ていると、暗い気持ちが払われて心が明るくなりませんか?
アマゾナイト、クリソプレーズなどの緑~水色にまたがった色彩を持っている石は、第4チャクラと第5チャクラと脾臓チャクラ(4.5チャクラ)の3つの領域に同時に働き掛けます。
明るい希望を持って、自分自身を積極的に肯定しつつ、陽気で心を満たし、ネガティブな自分からポジティブな自分へと内側から人間性を入れ替えていくために、これらの石はとても役に立つでしょう。
ネガティブなマインドをポジティブなマインドへと変換させる作用の持つ代表的な石がペリドット(橄欖石)です。
ペリドットは別名「太陽石」とも呼ばれるほど、オリーブグリーンの明るい輝きを放つ石で、心を陽気で満ちさせ、邪気やネガティブな波動を駆逐する光の力が強い石です。
自分の心の内側から思考と感情をポジティブな明るい素地に変えていく助けとなるでしょう。(根っからのネガティブ人間にとっては、この石は自分に合わないと感じるかもしれません)
いくら自分の外部で邪気や悪霊を祓ってみても、自分自身が常にネガティブなことばかり考えている陰気な人間性であれば、自分の内側から暗い波動が生じ続けているわけですから、波長が同じような邪気・悪霊等を外からいくらでも呼び寄せてしまいます。これがスピリチュアル的世界における「波長一致の法則」です。
お祓いや除霊はあくまでも一時しのぎの対処療法にすぎません。ハエが寄ってくるのは臭いを放つ根源物が何かあるからです。同じように、自分自身の内部に暗い陰気でネガティブな性質が巣食っているならば、いくら除霊したところで、また似たような悪霊や邪気が吸い寄せられてくるだけです。
心の内面(人間性の根本)から生まれ変わることがいかに重要なのかを知って下さい。
ペリドットの難点は、結晶ができる構造上、6㎜を超えるような大きなビーズが希少で、8~9㎜を超える大玉になると極端に高価になります。
6㎜前後の比較的入手しやすい小さめの球を手に入れて、他の石のパワー増幅作用を持つ水晶球を間に挿入すれば、電子アンプのように弱い力を増幅して補うことが可能です。
外に向かって「良いエネルギー循環」を生み出す働きが強いのがシトリン(黄色水晶)です。
シトリンは一般的に「繁栄・金運の石」と言われますが、不安や恐れ、悲しみや辛さといった「ネガティブな感情」を打ち消し、内面から明るいエネルギーで満ち満ちさせて、外に向かって社会的活動を活性化させるという方向性があります。
イエロー系の石は、第3チャクラ(太陽神経叢)に働きかけ、不安定な情緒・感情を落ち着かせ、健全な自己肯定や自信を抱かせ、自分はこのままで良いのだという安心感を培う作用があります。
シトリンも、感情・情緒面の安定性をもたらし、陽気に満ちたポジティブエネルギーを内外に循環・活性化させるという効果が中心です。
シトリン自体に、言われているような直接的な金運引き寄せのパワーはありませんが、社会性と感情面を司る「第3チャクラ」を活性化させるため、間接的に事業運にも影響があるのでしょう。
ペリドットとシトリンは相性がよく相乗効果が期待できる「ポジティブ・マインド活性化コンビ」なので、この組合せのブレスレットを1つ作ってみてはいかがでしょうか?
黄色のシトリンや黄緑色のペリドットは第3チャクラ(太陽神経叢)にもよく働くため、ネガティブな不安定な情緒面を安定させ、ストレスを解消させる作用が強く、お腹などの消化器系(脾胃)を強くし健康を増進させる作用も期待できます。
シトリンやペリドットは陽気を増す「活性化の石」に属しますが、強すぎる活性化の石が苦手という方はまずはレモンクォーツから試してみるとよいでしょう。シトリンよりも作用が穏やかです。
これらのグリーン系、ライトブルー系、イエロー系の石が、身弱の木星さんの助けになりやすい石だと思われます。
ちなみに、石の持つパワーは、所持者自身のエネルギーや想いと交流しないうちは発揮されません。(単に石を持っているだけで開運はしません。他力本願ではダメです)
本人が願いを強くもって、用神の方向性で「自己変革」の努力をしていくという「強い意志」をストーンに刻み込みながら、自分自身も想いを発しながら行動している中で、自分から発するエネルギーや想いに共鳴したストーンが必要な力を補って放出してくれるようになります。結局のところ、必要なスイッチを入れるのは自分自身なのです。
自分は何も変わらず、自己変革の努力を何もしていない人が、石さえ持てば他動的に良いことがあるだろうと過度に期待・依存していても、そういう人には実際パワーストーンの効果は全く及びません。これはほぼ断言できます。
鉱石と本人の間にエネルギー交流のライン・波動共有のチャネルが正しく発生していなければ、パワーストーンの効果は発揮されないのです。
目標を定めて自分からまず行動を起こす人、具体的に何かを変えていこうとしてアクションを始める人には、パワーストーンの効果は速やかに現れやすいです。
逆に、自分自身のほうで現状維持に居座っているか、自分が変わることに惰性で抵抗している人には、どんな石を持ってもその恩恵は及びません。
パワーストーンは定期的浄化が必要です
パワーストーンの種類によっては、自分の持っているマイナスエネルギーや邪気を吸収してくれる石も多いですから定期的に浄化することが必要です。
浄化を全くしていないと、どの種類の石でも人間の発するマイナスエネルギーや環境的な邪気などを少なからず吸い込み続け、最終的には邪気だけで容量パンパンになってしまい、石本来の良い波動が全く出なくなります。(石の種類によっても吸い込みやすい石、あまり影響を受けない石などいろいろですが)
さらに、そのままで放置し続けると最悪「石が死んでしまう」(=浄化しても元に戻らなくなる)ことにもなりかねません。(そうなってしまった石は、川や海に流すか、山や森林の大地に埋めて、感謝の念と共に自然に帰しましょう。そのまま持っていても良い効果は望めません)
浄化の方法は、太陽光、流水、塩、セージ燻煙、月光、水晶クラスター浄化など、各々の石の性質にあった手段があります。太陽光や水に弱い石もあるので1つ1つ調べてみましょう。
(日光に特に弱いのは、薄いピンク系の石=クンツァイト等です。退色して色が抜けたり変色します。アメジストやローズクォーツ等も日光に弱い部類と言われますが、1週間に数十分や数時間内であれば全く問題ありません。水に特に弱いのはカルサイトなどのカルシウム成分の石、真珠や珊瑚などの海産品です)
水晶やアクアマリンなどは「水」による浄化が向いています。
ガーネットやルビーなどの赤い石や火属性の石は燻煙(炎)による浄化が向いています。
ホワイトセージやフランキンセンス等のインセンス(お香)を使って、その煙にくゆらせて浄化します。この方法は、石だけではなく空間全体の邪気を祓って場を浄化する作用があります。
それ以外だと、御神酒を使ったり、祝詞や真言を唱えたり、魔法陣やマントラの上に置いたりする方法もあるようですが、あまり一般的ではないので割愛します。
「太陽光による浄化」は吸い込んだ邪気を祓って(クリアリング)、新たな陽気を充填する(チャージ)ことが同時にできるので最もお薦めです。
買ってきたばかりの石を強制リセットするには、天然塩をまぶして小皿等に埋めておき、その後、流水で3分以上洗浄して、太陽光の下に1時間~半日ほど置いておけば完璧でしょう。
「月光浴」には「邪気を抜く作用」はほとんどありません。
もし月光自体にそんなに「強い邪気払いの力」が宿っているのであれば、月光の注ぐ真夜中に幽霊が徘徊することはできなくなりますよね?
太陽は陽的エネルギーの根源であり、月は陰的エネルギーの根源なのです。
月光浴の用途は「陰性や女性性」が強いストーンに、陰的・繊細なエネルギーを充填するという特殊な目的でのみ使います。例えば、真珠やムーンストーンやピンクオパール等です。
また、アクセサリー等の研磨されている石には「所有者の念」が入りやすいので、フリマ等の中古品はお薦めしません。どんな曰く付きの石がやってくるか分かりません。
一方で、原石やクラスターなど、加工・研磨されていない石は「まだ生きていて鉱物として成長中です」から、外部の環境エネルギーや人間の念や邪気の影響をほとんど受けません。悪い気をはじいて良い気だけを取り込むという自浄作用を持っています。
こういった原石やクラスターの類は、玄関や寝室やリビングなどに置物として設置しても、空間の気を浄化したり調整する作用があるのでお薦めです。
水晶クラスターや水晶原石の上に、使用した後のブレスレット等を置いて数時間ほど浄化させる、というのが一番手軽にやりやすいパワーストーンの浄化方法といえます。
「水晶」は無色透明なパワーストーンの基本石ですが、他の石を浄化したり、パワーを集めて増幅したり、様々な石の作用をバランスを取って調整したりしてくれる万能役です。