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24年12/1日に代表選が行われた「維新の会」新代表・吉村洋文氏の命式を少し開いてみましょう。
党の創設者であった橋下徹氏の命式とはどのように違うのか?今後の「維新の会」はどうなっていきそうか?(再興の芽があるのか無いのか)などを考察してみましょう。
結論から先に言えばまさに「前途多難」。近いうちに「維新の会」は政治的に「分裂」する可能性が高いと私は見ています。
党が掲げる政策目標(党是)であったり、国政政党としての存立意義・基盤がすでに曖昧になっており、(大阪都構想が否決された時点で)何がしたいのか定まらず、党としての求心力が著しく低下しています。
自民党と野党の間で右往左往しているだけで、このままだと国会議員団が第2自民党に変質していき、やがては「空中分解」していくだろうと思います。吉村新代表にはこの現状をどう再興させるおつもりですか?と問いたいところですね。
このままだと、自民党でもなく左翼野党(立憲民主党)でもないという「第3極政党の代表格」としてのポジションを、国民民主党にお株を奪われて埋没必須です。
実際に政党支持率は、国民民主党が維新を上回りました。前回の衆院選でも比例票総数においても国民民主党>維新という結果でした。以下のデータを見ても分かるように、50代以下の若い世代においてはことごとく国民民主と維新の支持率が逆転しています。
「維新」が存在感を示し、第3極のリーダーとして再び支持を得るには、党としてそもそも何を目指すのか?
明確な国家ビジョン・基本政策、経済・税制についての「具体的なプラン」が提示できなければ、フワフワした抽象的なことばっかり言っていて、何がしたいのかよく分からない「ゆ党」という印象で終わりかねません。
吉村洋文の命式~木火傷官型の命式
吉村新代表は、甲木の夏月生まれの命式です。日干の通根は1つありますから、いちおう無根の身弱ではありません。創設者の橋下徹=日干無根のように、物事を途中で無責任に投げ出して急に居なくなるということは少ないでしょう。最低限の責任感はある方です。
月柱天干に壬水が1つありますが、用神というのは単に1つだけあっても意味がありません。その星の力量がどのぐらいであるかを測らないと正しい判断はできません。
この壬水はどこにも根がなく、生じる水源もなく、砂漠の中にある蜃気楼のオアシス=幻影が作り出した湖水のような状態です。
ゆえに働き(作用)の実態がありません。命式を改善したり、運勢を良くするような作用はこのままでは期待できません。
なんとなく虚勢でもって表面的に良さそうに取り繕うだけの作用はします。水原一平氏の命式と同じように虚構の星、対外的な印象を良くするだけのカモフラージュ作用の星だと言えます。
大谷翔平氏や水原一平氏の命式を思い出して頂いてもお分かりのように、「月柱天干」という「日干に隣接する重要な位置」にどんな星が入っているか、は命式全体に大きな影響を持っています。ここに用神が入っている場合、社会運・対外的に何かとスムーズで助けられやすい傾向があります。
しかし、その星が本当に生きているのか死んでいるのか、実態(明確な力量)がある状態なのか、死んでいて見掛けだけの「お飾りの星」にすぎないのか、をよく見極めなければなりません。
この命式については、時柱に水星の根となる星が無ければ、用神としての力量は全くありません。見掛けだけを表面上良く見せるだけの粉飾の星です。
炎暑が激しく水枯れしやすい夏月の甲木にとって、水は生存に直結する必要不可欠な星です。壬癸水の印星は「思慮深さ・考える力・知識」などを示す用神といえるでしょう。
その力量が明確であれば、よく熟慮して正しい思考力(知性)があり、物事の道理を分かった上で、先見性のある発言や行動ができる良識ある人物となります。
しかし、星の力量が伴わず、見掛けだけで実際は死んでいる(枯れている)水星ならば、見掛けほど実際には賢くはない。実際はけっこうアホですよ(笑)ということになりかねません。
一方で、火星の食傷が旺盛なので、対外的に派手なパフォーマンスだけは得意ということになるでしょう。まともな中身・実質が伴わずに、やたらと騒ぎ立てるだけです。
この命式の大きな問題点は、地支に「午午の悪神」が重なっていることです。ただでさえ暑い夏月に「火星が強すぎる」のです。これが樹木に着火して炎上したら大火事になります。
火星は透干して表に出ていないので、潜在して地下にあって表からは見えにくいのですが、むしろ「隠れている地支」の方がその人の本質(内面)を示します。
天干の壬水があるので落ち着いている思慮深い人のように見せるのは得意ですが、それは見掛け上のカモフラージュにすぎずお飾りの星で本質ではありません。実際は「考えの浅い人」で、じっくり落ち着いて物事を考える知性の乏しい方かもしれませんよ、ということが言えるのです。
そう考えると、数年前のコロナ禍に「イソジンでコロナが予防できる」みたいなことをうっかり口を滑らせていたことが思い出される方もおられるでしょう。
「維新」に欠落しているもの=緻密な政策立案能力
「維新の会」が立ち往生しつつ、支持者離れが広がりつつある原因は、そもそも何をしたい政党なのか、明確な政策基軸や国家ビジョンが見えてこないからです。
それは、維新の結党・創設にまで立ち戻る話ですが、もともと橋下徹の一人芝居で始まった地域政党で、結党当初から見てもさほど明確な政策ビジョン(国政での方針)が定まっている政党ではありませんでした。
橋下徹や松井代表のトップ1人の意見次第でコロコロと基本政策が入れ替わる。もともと基軸がブレやすい政党です。
「大阪都構想」が破綻した時点で、すでに政党としての存立意義が無くなってしまったと言ってもよい。
今は惰性で近畿の地域政党として存立しているだけです。大阪府や大阪市の行政改革では一定の成果を上げましたが、創立者である橋下徹も松井一郎も投げ出していなくなっているのですから。党の大きな方針を変更したり舵取りをできる人がいません。だから迷走するのです。
都構想の挫折後その「空白」を埋めるために、当時の自民党(安倍~菅政権)にすり寄って、大阪万博やカジノIR事業の誘致へと走りました。これこそが維新が凋落(変質)していった入り口です。しかも、この方向に誘導していったのは他でもない橋下徹や松井一郎自身であるというところが闇深いのです。
自民党にすり寄りすぎて「毒まんじゅう」を食い過ぎた。そして第2自民党化が始まります。これが馬場代表以降の「維新の実態」です。
吉村新代表が、この凋落・腐敗した維新を再興して建て直すのは至難の業でしょう。
党是そのものを見直し、政党としての基本理念や中心政策の次元から再建していかないと、小手先のびほう策でどうにかなる状況ではありません。党利党略の政治的な駆け引きだけに終始すれば、自民党化をさらに進めて、有権者離れを加速するだけです。
「維新」のネーミングの元ネタは経営コンサルタントの大前研一氏が始めた「平成維新の会」に由来します。しかし、現在の維新には、そうした具体的な政策に明るい有識者や政策ブレーンが皆無です。
まずは、改革派の有識者や専門家(政党ブレーン)をしっかりと集めることから始めないとダメですね。吉村新代表が専門家・有識者の知見をよく聞いて吸収しようという姿勢を持つかどうか。小手先の党利党略だけでは早晩行き詰るでしょう。
一方の国民民主党は、玉木氏が元財務省官僚(いわゆる改革派の脱藩官僚)ですから、マクロ経済政策や税制に非常に詳しいのです。
多くの国民が期待しているのは、経済・税制に関する具体的な政策です。
それは維新の会に根本的に欠落している知見・要素です。マクロ経済政策については非常に弱い(素人集団)のが維新の会です。
そもそも橋下徹自身が、文系の弁護士出身で経済政策に関して専門外です。だからこそ、万博さえやれば地域経済が良くなるだろうといった素人発想でよく考えずに動いたのでしょう。そのツケがいかに大きかったか。
その責任を本人たちが取らず、尻拭いを後輩に押し付け、自分はトンズラして党からいなくなっているのですから、そりゃ迷走もするでしょう。
維新にまだ存続の可能性があるとすると、不得意な経済政策については、国民民主党の玉木氏やブレーンの高橋洋一教諭あたりの知恵を借りることですね。
彼らの政策をそのまま丸飲みして、国民民主と協力関係(統一会派)を形成して、東日本では国民民主、関西では維新という「東西での住み分け」をして補完勢力に徹していけば、まだこの先も国政政党として緩く存続していくかもしれない。
そうした賢いしたたかな判断が吉村氏にできるかどうか。変にプライドを出して国民民主との競合路線を選べば、具体的な政策立案能力や論戦力では国民民主党に明らかに劣っていますから、政党自体が埋没していくでしょう。
3年以内に「維新」は分裂する可能性が高い
年運と大運で見ても、吉村新代表の今の大運は「丁丑運」です。火星が透干して炎上を起こしやすく、月干と干合して壬水を弱体化してしまい不安定な運勢です。少なくとも、次の大運(丙子運)に入るまでは吉運とは言えません。
さらに年運も悪い。25年は乙巳、26年は丙午、27年は丁未と、悪神である火星がメラメラと大炎上します。
自身の不用意なウッカリ発言や、思慮の浅い言動がキッカケとなって大炎上をしてしまい、おそらく大阪維新と国会議員団の間で「分裂・決裂」するでしょう。
そうなると、維新の国会議員団の大半は、自民党に吸収されるか、国民民主党に流れていくという未来が待っています。
そもそも吉村新代表は大阪府・大阪市の府知事・市長経験者に過ぎません。国会・国政での活動実績はゼロです。ゆえに、国会議員団との意思疎通がうまく行かないのでしょう。
維新はその意味では「大きな正念場」を迎えています。党としての基本政策や政党存立の理念そのものが揺らいでいるのですから、吉村新代表にその再構築が出来るのかが問われています。