身旺・身中・身弱が判断できますか?

四柱推命の基礎理論

四柱推命において最も肝要なことは何ですか?と問われるならば、私は迷うことなく「命式の身旺・身中・身弱」が正確に判断できることですと答えます。この日干の旺衰を正しく判断することは最後までとても難しいものがあります。(きわめて微妙な分かりにくい命式も稀にあるからです)

というわけで、初学者は命式の旺衰、日干の強弱が正しく判断できるようになることを第一目標としましょう。そして、日干の強弱を判断するためには、地支論を熟知していなければなりません。

とすれば、何をどのような順序で学ぶことが「四柱推命攻略の最短ルート」なのかはもう分かりますよね。

「日干の強弱・旺衰」の判断がきわめて重要である理由の1つは、

身旺なのか、身中なのか、身弱なのかによって、命式にとって運勢改善のために必要な五行(良い星=用神)や、命式を傾けて様々な問題を発生させる五行(悪い星=悪神・忌神)が180度変わってくるからです。

では、この命式について、日干の強弱はどう考えるべきなのでしょうか?悪神・用神を分類して正しく定めて下さい。

例えば、日干が同じ丙火であっても、身旺の命式と身弱の命式では、悪神・用神がまるっきり180度異なります。ある人には甲木(印星)が用神の1つかもしれない一方、ある人には全く別種の星が用神になるでしょう。

日干旺衰論=鑑定師の診断技量を分かつ要諦

鑑定の最初の段階で、日干の強弱(身旺か身弱か)の判断を間違ったならばその後の判断(通変による事象解析、用神・悪神の区別、用神を用いた開運方法論、大運などの後天運予測)をすべて誤るでしょう。

しかし、この最重要事項である日干の旺衰について、明解にハッキリと教えている「書籍や教室」は私が知っている限り世間にはほぼ皆無です。

世に出回っている「四柱推命入門」とか「推命学基礎理論」とか銘打って出版されているお手持ちの書籍に、きちんとこの「身旺・身中・身弱」の明確な基準が明記されているでしょうか?何となく曖昧なことだけが書いてあって煙に巻いたりお茶を濁してはいないでしょうか?

ちまたに広まっている通変星占い、元命星占い、十二運、神殺占いをもって、それが四柱推命だと思い込んでいる推命家(日本全国に掃いて捨てるほど大勢おりますが)は、身旺・身中・身弱を分類する(日干の強弱)といった発想自体が無い鑑定師のほうが圧倒的に多いです。

あるいは、その「十二運を点数化」してざっくり合計して判断するといった非常に大雑把なことをしている鑑定師も多いでしょう。

そのような鑑定師に高い鑑定料を払って間違った診断(誤占)をされたあげく、言われた通りに行動して最悪の結果に陥ったとして、そのことの責任はいったい誰が取ってくれるのでしょうか?

そのような間違った鑑定をし、たいして分かってもいな癖に、他人の人生を平気で惑わせ迷わせ金銭を巻き上げるという非常な悪(実質的には霊感商法や詐欺と同じです)に加担したインチキ占い師は、自分が予想しているよりはるかに巨大な霊的負債=悪業(カルマ)を自分の身に負うことになるでしょう。

「身旺」~ 自我強く自己中心的な自信過剰家

「身旺」とは、ざっくり言えば「日干の力量」が非常に強くなっている命式です。

日干が強くなるにはいくつかの条件がありますが、最も広く知られているのは「月令を得ている」ことでしょう。日干の五行と生まれた季節の五行が一致するケースです。

例えば、丙火の人が夏月(巳午未の月)に生れているならば、その命式はおそらく8~9割近くは身旺だと考えてよいでしょう。(ただし例外もあります。身旺の身弱と呼ばれる分類です)

これ以外にも、身旺になりうる条件は他にもいろいろ存在します。実のところ、月令を得ていなくても身旺になりえます

「身旺」の人には共通性があります。身弱の命式よりもずっと性質は分かりやすいです。

自分の考えが世界で1番正しいのだといった偏固した自負心過剰な自信に溢れています。また、我意が強く、他人を押しのけて自分の意見をゴリ押し通すことが大の得意。

身旺の度合いが強まると、周囲の他人や弱者を踏みつけにしてでも、自分の利益を得たい(貪りたい、搾取したい)という衝動が強まります。

しかも、身旺は身弱と違ってバイタリティや気力は溢れているわけですから、周囲や他人にどう思われるかなんて全くお構いなく、自分勝手に物事を進めていく悪い意味での強靭さがあります。

この強さが裏目に出て、暴走を起こし、周囲との軋轢やトラブルを生じ、世間からかえって相手にされない「鼻つまみ者」「問題児」となって社会から弾き出されるというのが、身旺の悪癖の行き着く終着点です。

しかも、度を越えた身旺ならば、そのような鼻つまみ者になったとしても、自己反省の視点を持ち合わせていません。

「自分は正しい、自分は間違っていない」という謎の自負心に凝り固まっているうちは、同じ過ちや失敗やトラブルを何度も繰り返すだけです。

ちまたの四柱推命では、身弱が悪い命式で、身旺の方が良いと教えていたり、そう考えている人が多いようですが、そんなことはありません。

身旺で「不幸な命式」はいくらでもあります。身旺だから幸せに生きているとは言えません。

身旺の人間は、自分の暴走癖、貪りの悪性、をよく熟知して自己反省して、生き方や考え方を自分で努力して修正していかなければ、世の中に受け入れられ、他人からも愛される人間にはなりません。


「身弱」~ 多すぎる星に流され、自分から落とし穴に陥る

「身弱」は「身旺」よりも事象分類が複雑です。いろんな形で「身弱」になるからです。

「日干が弱る原因」は、日干から漏らす星(食傷)が多かったり、剋したくなる星(財星)が多すぎたり、剋してくる星(官星)が強すぎたり、

あるいは、これらの2~3つの要素が混合していたりと原因構造が多様です。当然、起こしてくる現象や傾向性も多種多様となってきます。

すべての身弱に共通して言える傾向性は、必要な努力を継続するための気力や行動力が著しく欠如している。何事も他人任せで無気力になる。

自分自身のことにさえも責任感や主体性が欠落している。他人ばかりアテにして健全な自立心や覇気が無さすぎる

そして、命式の中に多くあって、命式を傾けている多すぎる五行=「悪神」に無意識に囚われ、無意識のうちにそれに流され、その星が示す通りの行動を取ってしまい、悪神が示す通りの人生の落とし穴に自分から落ち込んでいくのです。

悪神の誘惑・誘引力から強い意志を持って努力して抜け出すように一念発起して頑張らないと(これが「用神」を活用して開運するということですが)8割方は運命の示す通りの困った人生を歩むことになります。

どのような形で、多すぎる悪神が悪い事象に誘引して陥らせるのかには様々な類型があります。

ざっくり分けると、食傷大過型、財星大過型、官殺大過型などに分かれますが、実際にはこれらの「混合型」があるため、分類はさらに複雑になります。

当校のオンライン講座では、身旺や身弱の様々な分類について実例を交えながら詳細に学んでいきます。

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