格局論~「特殊命式」と「普通命式」(外格と内格)

四柱推命の基礎理論

四柱推命では「普通の命式」と「特殊な命式」を大きく分けて扱います。「普通命式」は「内格」、「特殊な命式」は「外格」と呼ばれることもあります。

内格と外格の違いはどのようなところにあるのでしょうか?また、どのように見分けることができるのでしょうか?

「特殊命式」は「偏った悪い命式」の極致です

最初に申し上げておきたい点から書きましょう。ちまたの四柱推命では、特殊命式(外格)についてどのように評価・理解しているでしょうか?

強旺格、従財格、従殺格などの特殊命式(外格)について、何か非常に素晴らしい命式、非常に幸運に恵まれる佳良な命式であるというふうに教えていないでしょうか?

実際のところは、これら特殊命式(外格)は「幸運に恵まれる幸せで佳良な命式」とは絶対に言うことができません。むしろ、人生の中盤以降には必ず地獄に落とされる(=破格する)ことが決まっている危険な命式と認識するべきです。

人生の前半(幼少期~30代ぐらいまで)に、まだ特殊格として成立している間は、普通では考えられないような幸運や良い環境に恵まれることがあります。これは全ての特殊命式に共通する特性で、幼少期から10代までの大運第1~2運までの運勢や環境が非常に恵まれています。資産家の家系に生まれて大事にされて蝶よ花よと可愛がられて生きてきたようなお坊ちゃんお嬢ちゃんが多いのです。

逆に言えば、幼少期や人生前半に死ぬほど不幸で辛い人生を送ってきているならば、どう考えても特殊命式であるはずはありません。

この期間だけを見れば、非常に幸運で良い命式だと思うのかもしれませんが、そう思っている推命家の多くは、その命式が「破格」した後に実際どうなったのかをおよそまともに検証していないのでしょう。人生最初の異常に恵まれた時期しか見えていないのです。

どの特殊格も「破格」を経験しないで一生逃げきれることはまず不可能です。

早ければ10代や20代で破格が来ますし、遅いケースでも50~60代には必ず破格の時期が到来します平均すると40代の壮年期に差し掛かる前後でどの特殊格も「破格」するのが普通です。

そして、格が成立している間の状況と、破格した後の状況が180度ひっくり返るのが「特殊命式の抱える宿命」です。非常に恵まれた運勢や環境に生きてきたのが、ある時期を境に急降下し、それまで得ていたものを全て奪い去られ、それ以降は「地獄の底辺」を死ぬまでずっと喘いで生きるほかない。そのような恐ろしい運命(生まれながらの運命の呪い)に拘束されている命式が「特殊命式」(外格)というものの実態です。

であれば、できれば「特殊命式」にはならない方が幸せなのではないでしょうか?最初からそのような呪縛・宿命に縛られている命式に、あなたは生まれたいと思うでしょうか?

強旺格・従財格・従殺格・従児格・化気格に共通する条件

そもそも特殊命式はどのような原理によるのか?どのような種類があるのでしょうか?

一言でいえば、特殊命式(外格)とは「1つの五行」だけに著しく偏固した珍妙な命式のことです。

夏月に生まれ、命式が火星だけで構成されている。冬月に生まれ、命式が水星ばかりで構成されている。そういった命式が「特殊命式」に分類されやすい命式です。

ちまたの四柱推命の多くでは、この成立条件を間違えている格局論が多くはびこっています。例えば、とても「身旺」であれば自動的に「強旺格」になり、とても「身弱」ならば自動的に「従〇格」になると教えている本もあるようです。

実際はそうはなりません。非常な身旺であっても普通命式にしかならないもの、非常な身弱であるが普通命式でしかないもの、そんな命式はいくらでも存在します。なので、身旺か身弱かという視点は、特殊格を見分けるための「真の指標」にはなりません。

ここで1つ1つを詳しくは書きませんが、「特殊格の成立条件」はけっこう複雑です。3~4つ以上の条件をクリアしなければ、単なる身旺や身弱ですというだけでは成立しません。

日干が極端に弱い身弱の極致ですが、これはどの特殊格にもなりません。複数の五行が混在していて、1つの五行に特化していないからです。運勢が非常に悪い内格の命式です。

四柱推命は別名「子平」という呼び方をされるように、海面が平らになるように、五行の偏りが是正されて「均衡で中庸なバランスの取れた状態」に至ることを喜びます。ということは、五行が偏りすぎる命式がそもそも佳良なはずはないのです

しかし、理外の理(通常の物差しを外れる規格外のキワモノとして、1つの五行に極端に偏固した命式は、あたかも結晶化したルビーやサファイアのように、天然記念物級に珍しい存在であり、外見上は1行に純化して美しい結晶のように見えるため「例外的」に良い事象となるケースがあった。それが通常理論の枠をはみ出た「理外の命式」=「外格」なのです。

「強旺格」が成立しうる命式です。ただし、「火星の強旺格」(炎上格)は実際のところあまり良い強旺格とは言えません。強旺格にも、五行と命式構成に応じて上格~下格の区別が存在します。

ただし、美しく見える現象はあくまでもイミテーション(見せかけ・ハリボテ)です。格が成立している間だけは、あたかも珍しく美しく見えるので、周りからチヤホヤして喜んでもらえるのです。

しかし、後天運にほかの雑多な五行(不純物)がゴチャゴチャと混ざってきて「破格」したならば、結晶が剥がれて実態がバレてしまい、捨て去られて誰にも拾ってもらえなくなる。これが「破格」の原理です。

それぞれの特殊命式(強旺格・従児格・従財格・従殺格・化気格など)ごとに、何が破神であるかが明確に決まっています。大運で「破神」が巡ってくると「破格」してしまい地獄を見るのです。破神は必ず後天運のどこかで巡ってくるわけですから、一生「破格」から逃げられるような命式はありません。

日干至弱の無根かつ、秋月に生まれて金星の五行ばかりに偏る一行特気ですから「従財格」が成立しています。

例えば「従財格」は、人生前半の成格している間は、商売をすれば大ヒットして非常に儲かるケースがあります。

しかし、人生前半に「稼いだ金額」が多ければ多いほど、破格時の急降下(破産・借金・一家離散)がキツくなります得たものを全部奪われて失うことになるのが「特殊命式の宿命」だからです。

であるならば「従財格」だったとすれば、商売に手を付けて派手にお金儲けに走らない方が賢い生き方だということになりませんか?

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