今回は身弱の戊己土さんを具体例に挙げて考えてみましょう。
どんな種類のパワーストーンが有効なのでしょうか?
冬季の亥月に生まれた身弱の戊土さんです。
秋は金が旺じ、冬は水が旺じ、春は木が旺じることで、相対的に戊己土は弱くなり、地盤が崩れやすく不安定になります。
どっしりとした地盤が安定した大地、肥沃で生産力の高い山や畑に戻すためには、主に火星・土星を用神として使っていきたいところです。
上の命式は、日干に全く根がありません。日干無根という分類に当てはまる典型的な身弱の命式です。
このような日干無根型の人は、意志が弱く、流されやすく、他人任せで主体性に乏しく、人生に明確な目標や目的を持たないまま、周囲と他人に振り回されてあっちにフラフラ、こっちにフラフラと、まるでクラゲのように漂って生きています。
健全な自立心、責任感、目的意識、覇気、行動力、意志の強さが見られません。
火星・土星の用神と絡めながら、上記の欠落している要素を補っていくことが、自己変革・運勢改善(開運)のために必要となります。
しかも、それを5年、10年と継続して努力し続けていかないとそう簡単には人間性や行動パターン(運勢傾向)は変わってくれません。パワーストーンはその長い努力の道のりにおける補助パートナーと考えてみてはいかがでしょうか?
第1チャクラ~「火の性質」に近い赤い石
火星の用神と絡めつつ、意志の強さ、地に足のついた行動力・責任感、覇気と根気、明確な目的意識と主体性を養っていくために、手助けとなりやすいパワーストーンは何でしょうか?
お薦めの赤い石=レッドジャスパー、カーネリアン、ガーネット、ルビーなど
それはガーネット、カーネリアンなどの「赤い石」です。もう少し広げてオレンジ~イエロー系の石もOKです。
ただし、夏生まれの方や身旺の方にはこうした「赤い石」(火星と関連した石)は全く不要です。かえってイライラしたり怒りっぽくなって周囲とトラブルを起こしやすくなる弊害があります。
赤い石を使って構わないのは、おおむね秋・冬生まれの人(=火星が用神となる命式)に限られます。
このように、用神の五行(生まれた季節等)によっては、使う石を切り替えていくという考え方が「推命学の開運論」とも一致します。
カーネリアン、ガーネットなどの赤い石の多くは、無気力な人間に「やる気」を起こさせたり、何かアクションを起こそうとする「情熱」を持たせる活性化作用の強い石です。
日干無根の方に最もお薦めなのは、レッドジャスパーというマットな質感の赤い石です。あまり有名でなく価格も安いのに、効果は非常に高いというコスパ最強石です。
ジャスパーの特徴として、第0チャクラ(足の裏・大地のチャクラ)に対しても作用するため、常にフラフラしている人を、地に足を付けさせる、現実に向き合わさせる「グラウンディング作用」が強いです。
実際にどう行動していくのか、どう歩んでいくのかということを現実生活の中でしっかりと意識させる作用が強いのがジャスパーです。
地に足を付けて、現実的な目標を立てて、目的意識をしっかり持ってコツコツ地道な努力を積み重ねていくという「用神の示す方向性」とバッチリ同じ作用を持ちます。
なので、身弱の戊己土さんには、まず最初にお薦めしたい石です。
第0チャクラは足の裏にありますから、その部位に近いところに着ける意味で、レッドジャスパーのアンクレットを作ってみてもよいでしょう。
ジャスパーは次に紹介するカーネリアンとほぼ同じグループ(瑪瑙やカルセドニー系)に属する石です。
水晶の成分である微細な石英質の成分が、結晶化しないまま他の岩盤の隙間などに浸透した状態で堆積したものを「瑪瑙」(めのう)(アゲート)と一般的には呼んでいます。
・不純物が少なくて単色で透明に近いものをカルセドニー
・不純物が少なく美しい縞模様が入っているものをアゲート(瑪瑙めのう)
・不純物が多く不透明でマットな質感の石をジャスパー と3つに呼び分けます。
カーネリアンは、アゲート・カルセドニーの仲間で、赤やオレンジの単色をしている石を指します。カーネリアンも最も安価な部類で、ほとんどタダ同然の値段で売られています。しかし、これほど使い勝手が良い石もありません。
赤く染色したアゲート(レッドアゲート)をカーネリアンと言って売っている場合もありますが、性質的にはカーネリアンの波動と大差ないので使ってもらって問題ないです。多くの天然石は、人工的に染色するとパワーが落ちたり波動が変わってしまうものが多いですが、アゲート類やカルセドニー類は、人工的に染色すればかえってそのカラーの波動で安定するという特殊な性質を持っています。
カーネリアンは、第1チャクラに優先的に働き掛けて、生命力を活性化しつつ、情熱・やる気を沸々と底上げしてくれる作用があります。ガーネットやルビーほどに激しく強い石ではなく、漢方薬的にじんわりと温める力を持っています。
またオレンジっぽいカーネリアンは、第2チャクラにも働きかけて「自己受容」を助けます。
アゲート類(瑪瑙)は穏やかな波動で誰にも合いやすい石で、持ち主の波長に合わせて馴染んでくれる特性があるようです。ガーネットやルビーが強すぎて合わない人は、カーネリアンを主体で使うとよいでしょう。
一方で、ルビーやガーネットは、カーネリアンと比べてかなり強力な石で、人によっては合う合わないがあるかもしれません。
ガーネットは黒っぽい(赤黒いアルマンディ系)石はとても安価に売られています。ジュエリーに使われるような赤く透明で美しい石でなくても、パワーストーン的には十分に作用します。
他の石にも共通して言えることですが、パワーストーン効果を期待して用いる場合は、ジュエリーのような宝石質で透明なものを必ずしも使う必要はありません。エネルギー自体はほとんど同じです。
ガーネットやルビーは、ガンガンと強烈に鼓舞していく作用を持っています。
覇気がない人、無気力な人、人生に張り合いなく生きている人に、やる気や喜び心躍るような情熱の対象を見い出し、生命的な活力をもって積極的に生きていく力を授けます。
ルビーは、宝石として用いられる透明度の高い鮮やかなレッドのものは非常に高価で、パワーストーンとしてはあまり売られていないでしょう。むしろ、マットな質感で、ピンクレッド系、紫っぽいレッドでも十分なパワーを持っています。
ルビーは「情熱」を持って華やかに人生を楽しんでいこう、自分発信で積極的・能動的にアクションしていこう、という方向性に力強く鼓舞していく石です。やや享楽的な傾向性もあります。
ちなみに、ルビーが属するのはコランダム(硬玉)というサファイアと同じグループの鉱石で、非常に硬い石です。最も硬いダイヤモンドはモース硬度10ですが、コランダムはそれに次ぐ硬度9の硬さを持っています。
このような硬度の高い石は、持ち主に強固でブレない意志の強さを与えます。フラフラしやすく優柔不断で主体性が無く、意志が弱い人には必要な石ですね。(石の硬さ=意志の強さで何かダジャレみたいですが)
第1チャクラ系の石は、単に精神や感情にだけ働くのではなく、肉体レベルの活性化を行う力を持っています。
なので、大病を患って長期療養後の人、体力的に著しく衰弱している人、生きる気力や活力自体が乏しく自殺願望の強い人などには、これら第1チャクラを活性化する石が必要となります。
実際にルビー×ガーネットの組み合わせには滋養強壮剤的な強い作用があります。
逆に言うと、通常の社会生活をしていて、元気いっぱいで活動的に普段生きている人にとってはあまり多用するべきストーンではありません。
ルビーやガーネットについて、身に着けているのが強すぎると感じるならば、1日のうち数時間だけというふうに少しずつ着ける時間を増やすなどの対応をして下さい。
また、就寝時には、赤色系の石(活性作用の強すぎる石)は外して寝るようにしましょう。交感神経が働きすぎて、ゆっくり休むことができなくなります。
第3チャクラ~健全な自信と感情の安定化
戊己土の身弱さんは、レッド系だけでなく、オレンジ~イエロー系の石も必要でしょう。
オレンジの石は、第2チャクラ(仙骨)に主に働きかけ、イエローは第3チャクラ(太陽神経叢)に働き掛けます。
前回取り上げたシトリン(黄水晶)は、第3チャクラを活性化する代表的なものです。
他にもアラゴナイト、イエローカルサイト、レモンクォーツなどが挙げられます。
常に漠然とした不安感が強く、些細なことに神経質でストレスを抱えやすい人は、第3チャクラがマイナス活性になっているケースが多いようです。
辛い、淋しい、悲しいといった日々のネガティブな感情によって、第3チャクラは常に上がり下がりの影響を受けます。第3チャクラが不調になって現れる共通の感情が「不安感」です。
第3チャクラが活性化していると、大らかで寛容になり、どっしりとした健全な自信があって、感情的に満たされて安定するため、多少のことでストレスに感じることは無くなります。
第3チャクラは「感情と意思の座」と言われます。ここが安定している人は、健全な自己肯定感(自信の感情)が生まれます。
そして、感情や意思が安定していると、ストレスが軽減されるため、脾胃(消化器系)の働きも良くなります。一般的に、戊己土の身弱(秋冬春生まれ)の方は、先天的にこの消化器系(お腹)が弱い人が多いようです。第3チャクラに課題がある人が多いのかもしれません。
第2チャクラ~自分という「個」を確立する自己受容の土台
次に第2チャクラを活性化するオレンジ系の石には、サンストーン、オレンジカルサイト、オレンジガーネット、オレンジムーンストーンなどのオレンジカラーの石が挙げられます。
第2チャクラが不調・マイナス活性している人は、健全な自信がなく、自己否定のネガティブな感情に支配されやすいです。
第2チャクラは、個としての自己を受容して確立させるという役割を持っている場所で、
ここがマイナス活性になっていると、短所や欠点も含めたありのままの自分を受け容れられなかったり、他人と比較して自己嫌悪していたり、自分の本心を出せずに仮面を被ったまま、自分を押し殺して社会生活を送っていたりします。
また、第2チャクラは位置的に「子宮のチャクラ」とも呼ばれ、女性ホルモンの分泌や受胎に深く影響する場所とも言われていて
第2チャクラの働きが悪い(不活性)の女性はかなり多いようです。第2チャクラと第3チャクラが両方とも不活性・不調になっている場合は、先に第2チャクラの方からケアしていかなくてはなりません。
正しい自己受容ができていない人は、自分がありのままでいいのだという基礎的な安心感が欠落していますから、第3チャクラばかりを先に活性しても、本当の意味でポジティブマインドや健全な自信が生み出されません。
女性で「冷え性」「生理不順」などを訴える方は、もともと第1~第3チャクラあたりのエネルギーが弱い人が多いようです。レッド、オレンジ、イエロー系のパワーストーンで下半身のチャクラを底上げすることが必要ですね。
・レッドジャスパー × オレンジガーネット × アラゴナイト
・カーネリアン ×オレンジムーンストーン × シトリン
といった赤~黄系の組み合わせによるブレスレットを作成してみてはいかがでしょうか?