2024年甲辰の年運について

時事・雑記

新年明けましておめでとうございます。24年最初の記事になります。

年末年始のこの時期になると新年の運勢がどうか?という雑誌の占い特集コラムや占い師たちのブログ記事を多く目にします。推命学に見て「年運」の影響力はどの程度のものなのでしょうか?また正しい「年運」の捉え方について考えてみましょう。

「今年は〇〇な年です予想」の意味のなさ

結論から言って、世の中の人々が思っているような仕方で「年運」は作用していません。

年ごとの干支(かんし)は、誰にも等しく均等に巡ってくる要素であり、全ての人に対して良い作用だといったことはまずありえません。

ある命式の人には良い作用になるが、別の命式の人に対しては悪い作用になるだろうとしか言えません。年運の干支が実際どう作用するかは、個々人の命式(五行の偏り方)次第なのです。

ということは、占い雑誌のコラム等でよく書いてあるような、あるいは、ちまたの占い師が言いそうな「24年は○○がラッキカラーです。ラッキーアイテムはこれです。〇〇な行動をすると吉です」といったアレには意味があるのでしょうか?どのぐらい妥当性があるのか?をよく考えましょう。結論から言えば「無意味」「ナンセンス」のひとことに尽きます

年干支の作用は、先ほど書いたように、個人の命式ごとに千差万別なのですから、みんなが同じ行動をすれば等しくラッキーになるなんていう「いい加減理論」が当たるはずもないのです。なので賢明な読者の皆様は、こうした情報は真に受けず、気休め程度に受け流しましょう。

 東洋占の推命学に限らず、西洋占星術でもそうですが、ちまたの占い雑誌のコラム記事なんかにはおよそまともな中身は書いてません。生まれ月の十二星座(太陽のサイン)ごとに「今年の運勢」はどうかを書いてある記事が毎年出版されていますが、そんな大雑把なカテゴライズがまともに当たるはずもありません。

(そもそもルネサンス以前の古典占星術においては太陽星座=12星座など考慮しません。ちまたで知られている12星座占いは、19世紀以降にモダン占星術が勝手に作り出した虚構理論です)

「辰」があなたにどんな影響を及ぼすのか?

陰陽五行論に基礎を置いた推命学の視点からみると、24年甲辰は、天干が甲木、地支が辰です。

注意すべきは「辰」の扱いです。「辰」は十二支では「龍」になぞらえられますから、さぞ勢いがあって強い十二支だろうと想像される方が大変多いのですが・・・

実際には、辰・戌・丑は「雑気の支」と言って、主体的なポリシー(主軸となる五行)が無い風見鶏の地支です。完全に「土」の支だと思っている方も多いのですが、実は土の支だとも断言できません。

春の終わりに属する十二支だから、寅卯のように必ず木行があると思っている人も多いですが、そんなことはありません。辰中に木行が必ず含まれるとは限りません。

「雑気の支」は、命式内にそもそもどんな五行が優勢なのか現在の大運中はどんな星が強いのかといった2点からの影響を受けて、その中身と姿がコロコロと常に変化します。

 冬生まれなどで命式内に水星が多すぎる人に対しては、辰自身は水の五行に化しますし、春生まれなどで木星が多すぎる場合は木の五行に化しますし、夏生まれで火や土が強い命式においては土の五行に化け、秋生まれで金が強い命式に対しては金の五行にも化けられます。要は雑気の支は何でもありなのです。

ということは、年運の「辰」がその人にどんな作用を及ぼすのか?は、個々人の命式と、現在の大運からの影響力を見てみないことには、単に年運だけいくら見ていても断定はできません。

「甲木」はあなたにどう作用するのか?

次に天干の甲木ですが、こちらは陽の木行で働きは明確です。地支の辰に比べれば作用は分かりやすいでしょう。

その方にとって、木星の五行が吉神(用神)であるならば良い作用となり、悪神であるならば凶作用をもたらすでしょう。

では、ご自身の命式にとって、木の五行は悪神なのか?それとも用神なのか?どちらとも言えないのか?は正しくお分かりでしょうか、ということになってきますよね。

年運の作用を正しく理解するためには、先立ってご自身の原命式と大運の影響がよく分かっていなければならないのです。

身旺なのか、身弱なのか?悪神は何であり、用神は何であるのか?それすらよく分かっていないのに、年運の良し悪しなんて正確に定められるはずもありません。

ということは、占い雑誌の特集コラムで安易に書かれてある「今年は○○な年です。○○がラッキーカラーです」なんてことが簡単に断言できるはずもないのはお分かりでしょう。

そもそも「年運」はどの程度の影響力なのか?

知っておいてほしいことは、世間の皆様が思っているほどには、年ごとの干支(年運)はそんなに飛びぬけて強い影響力を持っているわけではありません。

私たちに影響を与える「後天運」には2種類があります。

1つは「大運」という10年刻みの人生バイオリズム、もう1つが、全ての人に均等に訪れる「年運」です。このどちらの影響力がより強大なのでしょうか?

結論から言えば、大運の影響力が7割、年運の影響力は3割未満です。

「年運」がたとえ良好だとしても、それだけで「今年は良い年です」とは断言できないのです。大運の影響力によって簡単に相殺されるからです。

素直に喜ぶことができるのは、大運も吉運であり、年運でも吉運が重なる場合に限られます。

大運が凶運で、年運が吉運であれば、先ほどの7:3の法則から考えると、実際のところ吉なのでしょうか?凶なのでしょうか?大運が吉運で、年運が凶運であればどうでしょうか?このような多様な組み合わせを考えるならば、そんなに単純な話ではないことがお分かりでしょう。

「年運」だけを単体でみて「吉運」だから思う通り大胆に行動すればいいですよ、とはなりません。

一方、年運が明らかに凶運なのであれば、いずれにせよ自重するに越したことはありません。大運が仮に良かった場合でも、その年に行った軽はずみな言動がピンポイントで作用して、後々まで尾を引くような致命傷となるリスクもあるからです。

注意すべき年運とは?

ちなみに、巡ってくる年運には60パターンがあることはお分かりでしょうか。干支の組合せが60通り(六十干支)で、自分が生まれた年の干支が再び巡ってくることが60才=還暦なのです。

この天干+地支の組合せの中で、注意すべき年運、影響力が桁違いに大きな組合せが幾つかあります。それは「専旺干支」という同じ五行から構成される組合せです。

例えば、甲寅はどちらも木行、丙午はどちらも火星、庚申はどちらも金、癸亥はどちらも水星です。

年の干支がこうした組合せであるならば、年運からの影響力はそうでない年に比べて甚大となります。そして、五行が1つに偏るわけですから吉凶も明白に現れるでしょう。ちなみに数年後(丙午、丁未、壬子)にはこうした専旺干支がやって来ます。今年は甲辰ですからそこまで強い影響力ではありませんね。

年運よりも強い「季節の五行」からの影響力

実際には、1年を通してずっと年運の影響が一定しているわけでもありません。年の前半は天干の甲木が作用しやすく、後半になると十二支の辰のほうが強く影響してくる傾向があります。(今年の春=寅卯月は、木星の作用が非常に強くなる可能性がありますね)

さらに、1年には「春夏秋冬」の季節の変化が訪れます。実は年運よりも、季節ごとに強くなる五行からの影響力の方が強いかもしれない、ということを知っておいてください。

同じ甲辰年であっても、夏は火土が異常に強くなり、秋は金が最強となり、冬は水星が最強となります。この影響力は無視できません。むしろ、年運単体よりも「季節からの五行の影響」のほうが実際には大事かもしれないということを知っておいてください。

にほんブログ村 その他趣味ブログ 四柱推命へ
にほんブログ村四柱推命ランキング
四柱推命ランキング
タイトルとURLをコピーしました